【書評】デフレーション “日本の慢性病”の全貌を解明する
吉川洋 東京大学大学院教授によるリーダブルな経済書。
日本を苦しめ続けるデフレの原因を解き明かす。
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重く深い経済現象を論じていながら、楽しめる経済書だ。
第1章・第2章はデフレ論争や過去20年の経済の回顧。 吉川教授はデフレの原因は |
それでは、本当の原因は何か。
吉川氏は、日本企業が
コスト削減のための「プロセス・イノベーション」に注力するだけで
新しいモノやサービスを生み出す「プロダクト・イノベーション」を怠ったため
と指摘する。
コスト削減からはたいした有効需要は生み出せない。
読み終えて、筆者は少々暗い思いになった。
果たして、日本はデフレから抜け出せるのだろうか。
現代において、日本がプロダクト・イノベーションを引き起こせた例はどれだけあろう。
厳しく見れば、日本は欧米を真似て、いいものを安く作ることで生きてきた国である。
思いつくままに言えば、かつてのウォークマン、最近のジャパニメーションか。
言うまでもなく、今の日本を救うには力不足だろう。