【Tweet】エルサレムからのタクティクス・アイデア
米国がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことは、投資にどういったインプリケーションを与えるだろうか。
(本稿は浜町SCI 山田泰史のツイートを元に浜町SCIが加筆したものです。)
エルサレムをイスラエルの首都と認定したのはトランプ政権最悪の決定ではないか。
形は違えど9.11の再来、連続を心配すべきだ。
仮に米市場が無反応でも、いくらかのリスク・オフで対応したい。
ただし、市場とは不合理なものだから、完全にリスク・オフをしてもリターンを逸する可能性が高い。
リスクをとれるならその時その時の株価から15-20%程度安いところに指値注文をおくよう習慣づけしてもいいかもしれない。
9.11ではオーバーシュートは1回きりで、この工夫がうまくいった。
ただし、これも悪いイベントが継続してしまえば、裏目に出てしまう。
2001年のニューヨーク同時多発テロでは、TOPIXの9月11日終値は1058.12だった。
その後、米国時間の同日にテロが起こった。
明けて12日の終値は990.80(前日比-6.4%)と急落し安値引けした。
よく分散された株価指数がこれだけ下げるとオーバーシュートとも示唆される。
実際、パニックを脱した市場は、翌日からしばらく持ち直す。
ちなみに、分散された株価指数が6%超下げると、個別銘柄でははるかに大きな幅下げるものもあったことになる。
それが(結果的に)オーバーシュートであるなら、大きな収益機会だ。
こうした指値注文が怖いというなら、あえて値幅制限の下におけば1日考える猶予となる。
大きくリスクをとれるなら、値幅制限ぎりぎりにおけばいい。
内容のわからないリスクをリターンに結びつけようとしていることを考えれば、後者がクレイジーなタクティクスであるのは否めない。
それでも、この習慣は9.11では機能してしまった。
こうしたクレイジーなことを薦める背景はその副効果にもある。
指値注文を入れるなら、買ってもいい銘柄・買ってもいい値段を常に意識する必要がある。
なんとなく相場を待つのではなく、明確なターゲットを常に持っておくことになる。
指値注文を買ってもいい値段以下のところに入れれば出来てもけがにはなりにくい。
注意すべきなのは、大きな地政学的リスクの発現は中長期には経済に悪影響を及ぼすことが多いということ。
テロ後、世界の企業活動は多くの制約を受けることになる。
ブッシュ政権の時代は、世界の株式市場にとって決していい時代とは言えない。
ようやく傷が癒え、経済・社会が明るくなった頃には、傷を癒すために講じた施策も一因となって「100年に1度」と言われた危機を迎えることとなった。