金利入札証券, Auction Rate Security, ARS
(30年などの)長期の資金調達のために、(1か月などの)短期の金利入札を繰り返す証券。
前回入札した金利期間が経過すると、次の期間のための金利を再び入札で決める。
発行体は、長期資金を短期金利で調達でき、金利の非流動性プレミアム分だけ安い調達が可能になる。
(ただし、非流動性プレミアムは、常に意味のあるプラスの値とは限らない)
地方自治体などが低コストの資金調達として利用している。
投資家にとっても、信用力のあるMuniであるために受け入れられてきた。
しかし、サブプライム問題が表面化すると、短期金融市場が機能不全に陥り、ARS維持のための金利入札が困難となった。
(買い手不在となったため)流通市場が消滅し、売却しようとすれば大きな損失を生じる事態となった。
大手金融機関は投資家にARSを販売してきたが、このリスクについての説明に不十分な点があった。
そのため、大手金融機関が司法取引に応じて、投資家からARSを買い戻すこととなった。
市場規模は3,000億ドルと言われ、この一部でも買い戻すこととなれば、金融機関側が大きな損失を負うこととなる。