税制適格退職年金
退職金制度を年金契約にして、生命保険会社や信託銀行に委託して運用する企業年金で、厚生年金基金制度とは異なり、基金が介在しない。
1962年以前は、企業が従業員の年金支払いに備えて社外の資金プールへ拠出する場合、拠出の時点で従業員への給与とみなされ、課税されていた。
1962年よりの税制改正で、国税庁より税制適格と承認された場合、拠出金が税務上、全額損金処理扱いできることとなった。
これにより、従業員の課税も繰り延べられることとなった。
かつて、厚生年金基金とならび普及した企業年金で、税務上のメリットから、主に中小・中堅企業で採用された。
しかし、年金資産と年金債務を管理する仕組みが整備されなかったことで、多くの企業で深刻な積み立て不足となる事象が発生。
放置すれば、従業員の年金受給ができなくなることから、2012年3月末で廃止されることとなった。
加入企業は、廃止となる前に、他の企業年金へ移行するか、解約しなければいけない。
移行するとすれば、企業年金基金連合会、企業年金(確定給付、確定拠出)、中小企業退職金共済、法人加入保険などへの移行となる。