カバードボンド, Covered Bond
社債のうち、(住宅ローン債権などの)資産プールからのキャッシュフローを引き当てとして発行するもの。
カバードボンドは、無担保社債と同様、資金調達を図ろうとする(金融機関など)オリジネーター自らが発行する。
このためオンバランスとなるが、資産の裏づけがあるため、高格付けが得られる。
サブプライム問題で注目を浴びた資産担保証券は、担保資産を引当にSPVが発行する債券である。
SPVに担保資産が移転するため、資金調達を行おうとするオリジネーターはオフバランスにできる。
そのため、担保資産で債務不履行(デフォルト)が発生すると、資産担保証券を購入した投資家が損失を被る。
カバードボンドでは、資産プールでデフォルトが起こっても、オリジネーターが利払い・償還を行う義務を負う。
このため、資産プールからのキャッシュフロー回収について、オリジネーターのモラルハザードを回避できる。
欧州では20か国で採用され、発行残高は300兆円という(週間ダイヤモンド7月19日号)。
米国の商業銀行などでカバードボンドが導入されれば、現在、オフバランス化されている資産をオンバランス計上することになる。
そうなれば、BIS基準等の観点から、事業活動に大きな制約を受けると予想される。