液浸ステッパー

投影レンズとウェハーの間に液体を満たすことで、高解像度を得られるステッパー。
前工程プロセスの変更を最小限にしながら高解像度を実現する手法として期待されている。

回路線幅が60nm以下の半導体デバイスで適しており、50nm台の量産が開始しているNANDフラッシュメモリーの生産に採用されている。
NANDフラッシュメモリーのほか、DRAMやロジック半導体でも採用が広がると予想される。
現在、ニコン、ASML(オランダ)、キャノンの3社で競合。

ステッパーの世界トップであるニコンによれば、満たす液体には純水(露光波長での屈折率1.44)を用いるという。
水の温度変動を抑え、ウェハー交換でのプロセスの中断を避けるため、ウェハー交換時にも水を流し続けなければならない。
ニコンでは、ウェハーステージの隣に装置校正用の小型ステージを設け、水を抜くことなくウェハーを交換し、同時に装置を校正する仕組みを開発した。

ニコンは、液浸ステッパーの生産能力強化を発表した。
主要拠点である大田原と熊谷の拠点で新棟を建設、来年12月にも稼動の予定。
投資額は10年度までに350億円、延床面積は16,000平米を新設し、既設と合わせ従来の2倍以上の生産能力90台/年を見込む。

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